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執筆者の写真苦労

C96の感謝と本の話



お疲れ様です!苦労です。

夏コミの原稿作業や通販の作業も落ち着き、ようやく一息つけている感じ……

……の期間も過ぎ、現在ナイズや冬コミ関係で忙しくしております。

冬コミ受かるといいな〜!原稿やばそうだけど!(他人事)



本題です。言うのが大ッッッッ変遅くなりましたが、

改めましてコミックマーケット96のスペースにお越しいただいた方、

通販で本をご購入いただいた方、ありがとうございました!

コミケ会場では予想以上に多くの方とお話できて嬉しかったです。

差し入れも人生であんなに物もらったことないよってくらいたくさんいただいて

本当に感謝です……!

(お菓子以外にクナイとかガチャマシーンとかあった気がするけど……)

コミケ参加はこれで二回目になりますが、なんというかあの会場の特別感というか、コミケに毎年通う人の気持ちがわかったような気がします。

だって楽しいもんあれ……。


本へのご感想もなんとめちゃくちゃいただいてます!!

ひとつひとつお返事できないことが本当に申し訳ないのですが、

全てしっかり読ませていただいております!!

途中で心折れなくてよかった……脱稿諦めなくてよかった……と思わせてくださるお言葉ばかりで、私の拙い言葉では感謝しきれないほどです。

この場でのお礼を持って代えさせていただきたいと思います。

本当にありがとうございました!!




ご感想をいただいて、今回の本の内容について前編〜後編通して色々語りたいなあとずっと思っていましたのでここからはネタバレ全部ありでの語り記事とさせていただきたいと思います🙇‍♂️












(※以降、今回の夏コミ新刊および冬コミ既刊についてのネタバレがあります!!)

(※漫画を読んでくださった方のみお楽しみいただければ幸いです!!)

(※「補足なんて邪道だぜ!!」って方は読まない方がいいです!!)

(※長いぞ!!)


















◆今回の本(ヴィリアン)の話全体について

もう話をどこから思いついたのかも覚えてないのですが、

自宅に元々いた子(例:雷太郎とか)の話よりも

今回のコミケに向けて今まで全く出していない子の話を描こうと思ったのが

そもそもの始まりだったと思います。

ヴィリーは以前フォロワーさんが主催されていた踊ドリ誰デザで生まれた子で、

アンスリーもそれよりちょっと前に考えてはいました。

そして本当は一冊で全部の話が終わる予定だったんですが全然間に合いませんでした。

冬コミの原稿時に話を一旦区切る決断をしたのは今思うと本当に良かったと思います。

後編とか60Pの予定だったんですけど色々話を足した結果120Pになり……

いや、何でだよ……


そして元々は「ヴィリーとアンスリーがカップルとして成立する話」としてぼんやり考えていたと思うのですが、最終的には「群れが一つの家族になる話」といった感じになりました。公式のタイトルをあえてお借りするなら「苦労家火山版みんなの物語」みたいな……

(このあたりのテーマのことを気付いてくださってる方結構いらして大感激でした!!)

ヴィリアンは確かに将来的にはそういう仲になると思うんですけど、今回の話はそれがメインじゃないなと思って……

プロットを書いてる時とかネームを切ってる間にどんどん変わっていきました。


正直この話が「面白い」と思っていただけるかどうか前編も後編も不安しかなかったのですが、いただいたご感想を読んでその不安も吹っ飛び済みです。

本当にありがとうございます!!



◆本のタイトルについて

これは色んな方に気付いていただけたんですがヴィリーとアンスリーの名前はそれぞれ

「ブーゲンビリア」「アンスリウム」の花に由来していて、それを本のサブタイトルにしました。

(ただ英語にすると長すぎて諸々の入力の時に死ぬほど困ったので今後はシンプルなタイトルにします(ブチ切れ))

苦労調べではアンスリウムは「飾らない美しさ」

ブーゲンビリアは「あなたしか見えない」が花言葉ということで

(他にもいっぱいありますが)あの二人にぴったりかな!?と……!


後編の方からアンスリーの部屋の窓際に花が置いてありますが、

最初はアンスリウムの鉢植えだけをヴィリーが置いてました。(アンスリーしか見えていなかったので)

でも海賊たちとの戦いを経てアンスリーや群れのみんなで一緒に生きていくことを決めてからアンスリウムの隣に別の花(私の画力の問題で多分わからないと思うのですがブーゲンビリアとバーベナ)を置いた、という裏設定があります。

バーベナの花言葉は苦労調べだと「家族の和合」だそうなので、つまりそういうことです!

自分で書いてて思ったけどその意味込めて花設置するヴィリーなんかこええな。


「愛しい日々に花束を」っていうタイトルもアンスリーとヴィリーが到達する答えが前編の完成の時点でおおよそ決まっていたのでつけました。

ちょっと照れ臭いタイトルだったけどな!



◆アンスリーについて

アンスリーが一番欲しいと思っていたものは強さでも可愛い女の子でもなく「平和な日常」で、日常アニメが好きだっていう設定も実は後半の展開への伏線だったりしました。

(気付いてくださった方〜!!神〜!?)

元々は普通に可愛いものが好き……みたいな設定だったんですけどなんか違うなと思って色々考えた結果そうなりました。

あと今回の後編でアンスリーの母親のヒバリが登場しましたが、アンスリーはヒバリとヒバリの最初の夫との間にできた子供のうちの一人です。

そして、その中で唯一争いを好まない、平和な日常を望む子供でした。

ヒバリがアンスリーを特別視している理由がそれで、前編の回想シーンの中で家出したアンスリーに接触しようと声をかけている(アンスリーが『やべえ!!ババアだ!!』って言ってるシーン)のが実はヒバリなのですが普通にあの後逃げられてます。

ヒバリのことはまた別に書きますが、とにかくアンスリーは「ぬし」になる子として小さい時から素質があったということです。



◆ヴィリーについて

ヴィリーの過去についてはもうちょい描きたいなと思っていたところもなくはないのですが、今回は泣く泣くカットとなりました😭

代わりにここで書くぞ〜!!

ヴィリーは前編の回想シーンにもある通り、彼がいた群れの中だと異質な存在でした。

(他の群れだったら違ったのかもしれませんが、少なくとも彼の群れの中ではほとんど受け入れられませんでした)

ヴィリーの性別は身も心も共に男性なのですが、彼は女性的な踊りに美しさを感じていました。

それを異質だ、気持ち悪いと思う仲間たちに虐められていたところからあのアンスリーとの出会いに至ります。


そして、アンスリーとの出会いの後はふらふらスタイルによる踊りを徹底的に極めようとするのですが、一度だけ人目を気にしてしまい、群れの中のお祭りでぱちぱちスタイルの踊りを踊ってしまいました。

しかしそれも見事に失敗してしまい、その結果ヴィリーは「二度とこのスタイルで踊るもんか!」と特にぱちぱちスタイルになることを嫌悪するようになりました。

というのがあのシーンの補足です。

ただ実は「ヴィリーがぱちぱちスタイルになる」という展開は前編の時点では思いついていなくて、後編のプロットを加筆修正する段階で急に思いついたものでした……

結果的に表紙も前編とガラッと変わったし、何よりアンスリーの決意とうまく結びつけることができたのかな?と思ったので個人的にはいい思いつきだったなと思ってます✌︎


後編のヴィリーの行動については正直読んでいただく方に納得してもらえないんじゃないかという不安がずっとあって、

私自身も「アンスリーは本当にこいつ(ヴィリー)を側に置きたいと思うんだろうか??」という疑問がずっとありました。

(ヴィリアンを根底から覆しかねない疑問を後編に入ってから浮かべるな)

その悩む期間が長すぎたせいで極道入稿に至ったような気すらします。というか多分そう。

そのあたりの展開を多くの方にしっかり受け止めていただけたということがご感想からすごく伝わってきて本当に安心しました……

そう、ヴィリーだって普通のひとりの少年なので空回りするんです。


漫画の中で私の┣¨重い疑問に回答しようとしていたのが実はジョニーで、途中の賊の攻撃で言葉が遮られてますが(アンスリーや自分達にヴィリーが必要な理由について)「そんなの、お前が踊ってくれたからだろ!!」と言おうとしてました。

ジョニー語すぎて意味がわからないと思いますが、ヴィリーは群れの中で唯一「争いを忘れさせ、平和を愛おしく思わせてくれるもの」を見せられる子だと私の中では解釈しています。それが踊り。

アンスリーがヴィリーに対してのみ素を見せていたのはずっと前に会っているから、というのもありますがそれ以上にヴィリーが平和な日常の象徴だから、というのもあります。

だからこそアンスリー自身がどうしたいのか、どうすべきなのかを考えるきっかけにもなれたのかなと……


あっやべなげえなこの話

次いきます



◆子分たちについて

お前らほんと出世したよな

ジョニー、マイケルについては本当にここまで話に入ってくる予定はなかったというか

そもそも最初のプロットの段階では名前すらついてなかったし、髪型とかも全く同じだったしそもそも双子という設定すらなかったんじゃ?ってレベルなのですが描いてるうちにうまいことハマってくれました。特に後編。

ジョニーとヴィリーが会話したり喧嘩したりするシーンは私の中ではだいぶお気に入りシーンなんですけど実は最初はそこがなくて、ジョニーとマイケルはアンスリーと二人で話す予定でした。あとヴィリーに助けられるのはボブでした。

多分ジョニーとヴィリーの会話の追加がページ数増えた要因のひとつなんですが(怒)、さっきも言ったようにこのへんは自分でもかなり好きなシーンです。

ジョニーとマイケルの二人が同時にヴィリアンの橋渡しをしてるしね。


欲を言えばマイケルの心情をもう少し出したかったなと思ったのでおまけ漫画で弟へのクソデカ感情を喋ってもらいました。それでいいのか?お前

ちなみにジョニーが回想シーン入った直後に「兄ちゃ……」って言いかけてますがあれは昔「兄ちゃん」って呼んでたのが今も気抜くと出ちゃうみたいな感じです。

甘えてると思われたくないから今は頑張ってマイケル呼びにしてるって感じです。

つまりあの双子はすごく仲良しだぞ!


ボブについてですか?

ボブです。



◆その他のキャラについて

【アモルとピリア】

一番最初に登場した、アンスリー激推しの二人組。

あの二人は未だに出せていないサンの旅パの子達でした。

ヴィリーたちの話には関わってこないものの、

「アモルの方がエンニュという種族に対して因縁があり、

それがピリアとの出会いのきっかけになる」という構想だけは

めちゃくちゃ前からあったので数ページのみ出ることになりました。

とりあえず立ち絵描いてあげたいね……


【海の賊のひとたち】

特に説明もなく後編で登場。

いや説明したかったんだけど入らなかったんですよ!ごめんね!

彼らはぬし候補の手下ではなく、自宅★ドヒド♂のピドロの恐怖政治の下で

暮らしているちょっと不良な一般ポケ達です。


ピドロはこのひと(某さんナイズに提出させていただいてたひとでした!)↓


あの後賊たちはピドロくんに残酷に狂ったパワハラを受けてます。

アンスリーを攫おうとしていた理由は強い仲間を連れて(あるいは囮とか餌として使って)自分たちを支配するピドロをどうにかしたかったからだったりします。

素直に頭下げて「助けに来てください」と言えないのは彼らもまた狂った不良だからです。

加害者なんだか被害者なんだかよくわかりませんね。という裏話でした。



【マコとヒバリ】

既にTwitterでも何度か紹介していたマコもなんと関わってました。

マコはその気まぐれさ・残酷さでアーカラ島のぬしポケに対して割と過激にちょっかいをかけまくっています。

例えばレイリスの母、アートが病で死んだにも関わらずレイリスの側に現れたのもマコのせいです。(ここで言うか?それを)

全ては彼女が思う彼女の「かみさまらしさ」のため。


ですが、例外としてアンスリーにだけはちょっかいをかけられずにいました。

その理由が今回の隠しキャラ(?)、ヒバリの存在です。





















ヒバリさん、超悪役顔で登場しましたが子供に対しての愛情は実は本物でした。

マコの危険さをある出来事から知った彼女は子供たちを守るために

マコを力によって牽制し続けていました。


でもそれもいずれ限界がくる。

そう感じていたヒバリはある決断をします。

「子供たちを競い合わせてマコに負けないほど強くしよう」と。

それがアンスリーの物語に繋がったというわけでした。

こんなん漫画で説明しきれるか。


このように子供に対する愛情は本物っちゃあ本物だったのですが、

途中から夫をたくさん作って子供の数をやたら増やしたりと

手段と目的がすり替わっちゃってるとこもあるし

結局は必要以上の争いを生み出しているので完璧な善人ではないです。

アンスリーは事情を知ったとしてもその点に関しては絶対許さないと思いますし、

安易に許されるべきひとではないと思っています。



◆(完全に余談)個人的なイメソン

キャラの話はこれで大体語り尽くしたと思うので、

後編のあとがきの下にこっそり書いた原稿応援ソングをよかったら聴いてください!!

特に「笑顔」の歌詞はだいぶ前から知っていたにも関わらず

「こんな……こんな私の理想のヴィリアンソングがあるんか!?」って勝手に興奮してしまったくらいなのでこの感動を分かち合いたい。。。という個人的願望でした。

はい。おわり。





今回の本に関しては本当に数多くのご感想やイラストをいただいたり、フォロワーさんに通話で直接感想いただいたり(その節は本当にありがとうございました……!!)、まだ繋がっていなかったフォロワーさんや会場で初めて本をご覧になった方から購入いただいたりもして……なんかもう、すごい。(語彙が尽きた人の顔)


なんというかご感想はご覧いただいた方によって異なるとは思うのですが、私は私が見せたかったものをお見せできたんだなあと思い、個人的に至らなかったと思う点は数多くあれどとにかくたくさんの思い出の詰まった一作になりました。確実に。

漫画に限らず何か一作品を作るって言うのはホンッッッッッッッッッッットに死ぬッッッッッッッッッッッッほど大変だなあと今回思い知ったわけですが、

それでもこうして色んな方に喜んでいただけるから仕事しててもやめられねえんだよな〜と改めて思った次第です。

逆に言えば、私の作ったもので喜んでくださるような方がもし私の周りにただの一人もいなかったとしたら私はとっくのとうに絵を描くこと自体やめていると思うので、本当に感謝の気持ちを忘れてはいけないなと思います。

重ね重ねになりますが、本当に、本当にありがとうございます。


なんかポエミーになってきたな!恥ずかしいから終わるぜ!

これからも死なない程度に頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします。



2019.10.6 苦労(劇場版ラーメン大家族ではない)

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